ぼんくら [MY図書館]
「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」―江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。
最初は、”ぼんくら同心、平四郎が見聞きした江戸情緒豊かな人情味あふれる短編集”なのかなと思いました。
ところが、上巻の途中から話がいきなりどんどん繋がってきて、宮部ミステリーワールドが展開されていきました。読むのを途中で止めないでよかったです。平四郎が主人公なのかなと思いますが、脇役がこれまた、個性豊かでみんなアカデミー賞助演賞ものですよ。(笑)おでこ君と弓之助君が出てきたあたりから、俄然面白くなってきました。
「俺、ここでいったい何をやっているんだろう」。江戸・深川の鉄瓶長屋を舞台に店子が次々と姿を消すと、差配人の佐吉は蒼白な顔をした。親思いの娘・お露、煮売屋の未亡人・お徳ら個性的な住人たちを脅えさせる怪事件。同心の平四郎と甥の美少年・弓之助が、事件の裏に潜む陰謀に迫る「宮部ワールド」の傑作。
上巻に比べると下巻はページ数も少なく、話もとんとん拍子に進んでいってあっという間でした。多少腑に落ちないような終わり方だなと思ったら、『日暮らし』に続いていくんですね。
ラジオドラマにもなっています。
ぼんくら/日暮らし
声優陣がやたらと豪華です。中村橋の助さん、原田知世さん、渡辺えり子さん…神木隆之介くんが「おでこ」で高山みなみさんが「弓之助」です。このメンバーでドラマになっても良さそうです。(高山みなみさん以外は。”弓之助”は男の子なので)
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