博士の愛した数式 [MY図書館]
養護教諭のK先生オススメの本。借りて読みました。 「わたしに今小学生くらいの子どもが居たら、接し方も変わったのに…。」 と、なげいていらっしゃいました。
家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。しかし「私」の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちもいつしか彼を「博士」と呼ぶようになる。私は数学は嫌いではないのですが、どうも数学には愛されない人間のようです。(当時「共通一次」と呼ばれた大学入試一次試験で数学Iの偏差値が30台だったという驚きの事実。) しかし、これを読んで、数学に興味を持ちました。頭の回転が速くなくても、論理的に考えることが出来なくても、小説のあちこちに出てくる数式や数学的事実に惹きつけられます。素数とか、友愛数とか…それらがむしろ詩的でもあります。数学も、こういう方向から学べばすきになれるのにね…と思った次第です。 博士は、優秀な数学者であるとともに、非常に優秀な指導者でもあります。小学生相手に、ねばり強く効果的に算数を教えてあげます。最後にルート君は中学の数学教師になります。きっと、数学好きを増やすいい先生になったことだろうなと思います。 親として教師として読んで良かったと思える一冊。オススメです。 そして、その「博士の愛した数式」が映画になりました。
「雨あがる」(2000)、「阿弥陀堂だより」(2002)といった人間ドラマの秀作を手がけてきた寺尾聰と小泉堯史監督が、再び主演俳優×監督というタッグで贈る最新作「博士の愛した数式」。小川洋子のベストセラー小説を映画化した本作は、80分しか記憶がもたない天才数学博士と家政婦、そして彼女の息子との心のふれあいを丹念につむいだ感動作だ。寺尾聰、深津絵里、吉岡秀隆ら演技派スターの競演、そして季節感溢れる美しい映像美が爽やかな感動を巻き起こす。<監督・脚本> 小泉堯史 <配役> 寺尾聰(博士)深津絵里(家政婦)齋藤隆成(ルート/子ども)吉岡秀隆(ルート/大人)浅丘ルリ子(未亡人) しかしまあ、演技派のいい役者さんばかり揃えましたね。わたくし的には、浅丘ルリ子さんの未亡人が、イメージにぴったりで◎です。(笑) 娘にこの映画を見せたら、少しは数学好きになるでしょうか…(淡い期待) 公式サイトはこちら
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